TBS♪Tokyo Band Stalker

もしも好きにならなければ 幸せに過ごせたのに

TOKIOのPVを振り返る・さよならソニーミュージック編(1999-2000)

 TOKIOのPV感想シリーズ、今回はソニー時代後期にあたるシングル十五枚目以降を扱います。前回取り上げた1996-1998年のPVを簡単にまとめると、「若い男子のわちゃわちゃ」が多いです。よくよく考えたら、演奏シーンは却って少なくなっていました。せっかく予算が増えたのに使い方間違ってたんじゃない当時のスタッフ???いや、アイドルとしてはありなのか。ううむ、当時のファン層ってどんな感じだったか知りたいですね*1

 過去の記事は以下からリンク貼ってます。  

 

 1994-1995 

great69.hateblo.jp

 

1996-1998

great69.hateblo.jp

 

 

 

15.君を想うとき

 一言でまとめると手抜きPV。わちゃわちゃすらなく、かといって演奏シーンもなく、下手をするとTOKIOメンバー本人が存在しなくても成り立つ位(様々な男女の映像をバックに五人が立っているのですが、マイクスタンドで歌っているせとにゃん以外の棒立ちっぷりよ。。。)。楽曲自体はメンバー公認結婚式向きラブソング*2

です。

 リリース当初はどういう印象を抱かれたか存じ上げませんが現在はファン人気が高く、2014年に発売されたファン投票ベスト「HEART」ではDisc1(シングル部門)堂々の三位*3でした。アルバムバージョンでは一部歌詞が英語になる等の変更があります。HEARTツアーではどっちだったっけな~。

 両A面の「Oh! Heaven」はまとーかさん主演のドラマ「天国に一番近い男」(第一期)の主題歌ですが、PVは作られていない模様。その代わりドラマのEDで流れる映像が面白いです。

 

16.何度も夢の中でくり返すラブ・ソング 

 当時DASHでやっていたストリートミュージシャン企画で上三人が結成した「15minutes」に対抗して下二人が結成した「ぴんく」に、かの忌野清志郎さんが提供した楽曲が後々TOKIO名義でシングル化。

 私の調べた限り、なんと!なんと!!なんと!!!(ゴチの羽鳥さん風)PVが二種類あります!!!!!

 ひとつが薄暗い水色の狭い壁で仕切られた空間で一人ずつ立ったり座ったり歌ったりしてる、せとにゃんメインのもの。ラストショットの携帯電話が時代を感じさせます。今はガラケーでもアンテナ立てませんからねw

 もうひとつが海外でしょうか、いかにもリゾート地的なビーチでのロケを行ったもの。個人的にはこちらの方が演奏シーン・わちゃわちゃ盛り込み・各メンバーのソロショット数等のバランスが取れていると思います。

 

 全くの余談ですがこの曲は、「SCHOOL FESTIVAL」と称して楽器交換で演奏された事があります!その時の編成は

ボーカル&ギター:ぐさま

ギター:まとーかさん

ベース&コーラス:リーダー

ドラム:太一君

キーボード:せとにゃん

という、いつもとは全く違う編成で映像を見る度笑ってしまいますw特にキーボードブースを荒らしまくったせとにゃんと「おもちゃの猿が太鼓叩いてる」と形容される太一君には笑うしかあるまいw

 

17.忘れえぬ君へ…

 静かに始まりサビで盛り上がり静かに終わるその落差の余り、元々別々の二曲を合わせたのではと思う程一曲の中でテンポや曲の雰囲気の振れ幅が大きいので現在の演奏で聴いてみたい候補

 PVは洋館?の扉が一画面に三つ映る所と、せとにゃんが一人椅子に座っている部屋とメンバーが演奏している部屋の主に三箇所を使っているみたいです。全て室内。間奏では思いのほか激しいリーダーのギタープレイが見られるのでリーダーファンは是非チェックしてみよう。ラストシーンで初めて「外から扉を開けて入ってくるせとにゃん」のショットが出てきて曲が終わります。あの部屋は何かの暗喩なのかも知れません。

 しっかしこの曲、わっかりやすく失恋ソングだなwアイドルだなw

 

18.愛の嵐

 布袋寅泰さん提供の「サイコメトラーEIJI2」主題歌。いや~昔まとーかさんドラマに出まくってましたねwそりゃあ日テレ土9枠の最多主演飾れますわなw*4

 この曲では各個人に間奏で見せ場がちゃんとある演奏シーンの他に美女ディーラーを交えたカジノのルーレット場面や、バンド史上初のアニメーション(劇画調とアメコミ風を足して二で割った様な印象です。ジャケットのイラストにも使われています)が挿入されています。今までより大人の男感を醸し出していますね。

 

 19.みんなでワーッハッハ!

 バンドとしては問題作……かも知れないつんく♂さん提供曲。思えばこの時の出会いがきっかけで桜庭裕一郎と「ひとりぼっちのハブラシ」に繋がり、HEARTツアーにも来て下さったりホームパーティーにお呼ばれしたり単なるビジネスパートナーで終わらない友情というか縁が今でも続いているのだなあと感慨深くなってしまいました。

 そんなつんく♂さんが初めてTOKIOのシングル曲を作った時、得意分野というのもあるでしょうけれど敢えてバンドという枠を完全に放り投げました。

 もしかするとシングルでは初めてかも知れない、メンバー全員にリードボーカルのパートが用意されました。じゃにおたの皆様が新曲発売時に「歌割」を気にしますが、TOKIOは基本メインボーカル一人固定(曲によってコーラスもあったり無かったり)の為歌割を気にする風潮はファンにとっては概念自体存在しなかった訳です。ところがこの曲では出だしの「ヤッホー」という声かけからして太一君の声。誰がどこを歌っているのか、PVと照らし合わせるとかなり分かりやすいです。

 そのPVですが、恐らくTOKIO史上明確に初めてメンバーカラーを強調したPVになっています*5になっています。複数人いる時は背景が白。))。デビュー時から現在のメンバーカラーが固定だったのかどうか存じ上げませんが、把握している限り過去のCDジャケット等では衣装等でメンバーカラーっぽくなっている時も完全に一致した試しがありませんでした(誰か二人だけ逆とかはありました)。デビューから五年以上経過して、ここで初めてメンバーカラーを打ち出すのも遅いっちゃ遅い気がするのですがね……見てご覧よえびじさんやかんじゃにいさんを……ってあいつらはやりすぎの部類。

 

 つまり「みんなでワーッハッハ!」は視覚的・聴覚的に「テレビタレントTOKIO」を印象づける戦略をとっていたと推測出来ます。

 

 メンバーのキャラ及びテレビタレントTOKIOとしてのキャラが立つ様なアレンジにしたのは何故だったのでしょうか。理由はふたつ考えられます。

①今までの傾向からして、バンド形式じゃ売れないもん。

②バンドだったからこそ、打ち込み主体のジャンルは手付かず。ならばそこを攻めれば新奇性がある。隙間産業の論理。

 果たして目論見は想定以上の売り上げに繋がったのです。同年に始まったDASH村がバンドTOKIOの影を巧妙に消す事でDASH海岸・DASH島・新宿DASHに繋がる看板企画へと後に成長していく事を考えると、音楽面でも「テレビタレントTOKIO」として割り切って売り込んだ事は恐らく事務所的には成功だったのです。

 その結果TOKIOがバンドとして本当の意味でスタートを切るまでの、長い長い回り道が始まったのです…………

 もうこれ完全にPV感想の領域を外れていますので次の曲へ。

 

 

20.恋に気づいた夜

 この曲がソニー時代最後のシングルとなります。楽曲提供は前作に引き続きつんく♂さんなのですが、バンド色を捨てた前作が(TOKIOにしては)爆売れしたのとは逆にこの曲はバンド寄りのサウンドに戻った故なのか(スクラッチ音は結構差し込まれてますけどね。気持ちベースの音が大きめにミックスされてます)Wikipediaにすら「まったく売れなかったため初回盤が余りまくり通常盤の方がプレミア化(要約)」と断言されてしまっています。どの位酷いかというと、オリコン初登場TOP10入りを逃す位。ソニーさんもそりゃあ見捨てるわな……

 ここで強調しておきますが、私はつんく♂さんによる楽曲提供が失敗だとは思っていません。DASH村も始まってTOKIOがどんどんアイドルからもバンドからも遠ざかっていきますが、当時の事務所側はむしろそうした方がTOKIOは売れるからとゴーサインを出していたと私は考えます。というか多分上層部は今でもその考えを捨てきれない疑惑。グラデーションで少しずつ改善はしているのですが、売り方とか売り方とか売り方とかもっとバンドバンドしてもいいのよと思ってしまう邦楽畑出身バンド系じゃにおた。

 ソニー離脱がいつ決まったのかは不明ですが、PVを見ていると「ああ、ソニー時代最後だからきっちり締めようとはしているな」と感じました。決して手抜きではなく、むしろバンドらしさとソニー時代中期の男子のわちゃわちゃと後期の大人の男らしさのバランスが絶妙に均衡した、考察も捗るソニー時代の集大成PVだと思いますです。

 何と言ってもPVで存在感を放つのは、ラベリングされ液体が保存されている五つのボトル。青みがかった部屋で安置されているそのボトルは、ラベルの内容から明らかにTOKIOメンバーと関連がある様子。

 ボトルを手に取ると過去の記憶を垣間見る事が出来る他、元々安置された状態から順序を並び替えるとメンバーの楽器が変わったり(!)するみたいです。また、うっかりボトルを落とすとメンバーはごっそり消えます。取扱注意。おや、びびってボトルに触れなかった人がいるようですねえ……?

 

 ともかく、このシングルを最後にソニー時代は幕を下ろし、翌年からユニバーサルミュージックへレコード会社を移籍する事となります*6

 

 

 

 いやはや、もう途中からソニー時代の事務所の売り方に対する文句になってしまいました。過ぎた事は仕方ないので、ここで昔の曲と改めて向き合う事で少しは文句も成仏させられたと信じたいです。

 ユニバ時代以降のPVについてもゆっくり感想書いていきたいと思っています。それでは、さよなら。さよなら。さよなら。

*1:ちなみに1996年、スピッツバブルはシングル「チェリー」リリース時に最高潮となります。この頃からツアーが長期化し、現在のライブバンドとしての基礎が出来上がります。その一方で「インディゴ地平線」のアルバムを最後にささじーさんこと笹路Pから離れた為1998年の「フェイクファー」リリースまで、アルバム制作が難航します。メンバーが近年までライブにセトリ入りさせない程「フェイクファー」にはトラウマがあった模様。現在は無事乗り越えました♪

*2:シングル「fragile」通常盤に収録のトーク「TOKIO STATION」にて、事前募集したファンからの質問に答える形でまとーかさんが推していました。(●3●)「君想でしょ!」

*3:一位が「リリック」、二位が「LOVE YOU ONLY」。

*4:しかも2011年の「高校生レストラン」以降は枠を卒業したのか出てないのです。それで最多のまま枠の終わりまで突っ走れるとかどんだけ……?

*5:メンバーのソロショットでは背景がメンバーカラー((おさらい。長瀬智也→赤、松岡昌宏→紫、国分太一→青、山口達也→黄色、城島茂→緑です。五人組で全く同じメンバーカラーのグループに嵐がいます。

*6:余談ですがHEARTベストのクレジットを見る限り、ソニー時代の楽曲は権利委譲等が行われていない様子。何故Jストはユニバ時代の楽曲だけぶっこ抜いたのかという疑問が湧きますね……